ファクタリング

ファクタリングは複数の業者を利用するのがベスト?手数料相場や二重譲渡について解説!

ファクタリングで資金を調達したいが、「1社では十分な資金を確保できない」「別の会社と同時に使いたい」という企業もあります。ファクタリングは利用先の業者が定める審査基準に影響され、中小・零細企業にとっては、1社で提示される金額上限はそれほど高くはないのです。その背景には経営状況や売掛債権に対する信用が十分ではないことが挙げられます。そこで、ファクタリングを複数利用する際に、業者を選ぶ基準や手数料、二重譲渡の注意などについて紹介します。

助さん
助さん
ご隠居、ファクタリングで企業の追加運転資金を作りたいと考えているのですが、どうもファクタリング業者1社だけでは足りそうもありません。どうしたら良いでしょうか?
黄門様
黄門様
ファクタリングは同時に別の業者を利用することができるのじゃ。売掛債権を二重に譲渡していない限り、3社でも4社でも同時期に契約を結んで、まとまった資金を用意できるわけじゃ。

ご隠居、複数利用について、もっと詳しく教えて下さい。

ファクタリングを複数利用するワケ

資金不足やキャッシュフローが悪化した企業では、ファクタリングを資金問題の解消手段として利用することがあります。ファクタリングとは、売掛債権を業者に買い取ってもらう債権譲渡の仕組みを利用した金融サービスのことです。ファクタリング事業をする業者は、特定の資格や許可を必要とせず、運用する知識とノウハウさえあれば誰でも業者として成立する。そのため、日本国内には多くの業者が無登録で存在しています。そして、企業は資金繰りに必要な資金を集めるために複数のファクタリング業者と契約します。

助さん
助さん
ファクタリングはなぜ1社だけではダメなのでしょうか?
黄門様
黄門様
業者は上限額を審査を通して個々に決めているのじゃ。場合によっては、1社だけでは必要な資金に足りないということが出てくるじゃろう。見積もりを出す際にも1社だけではなく、複数社をまとめて出して比較するのが効率的なのじゃ。
助さん
助さん
申し込む会社次第、利用する業者次第というわけですね。見積もりも複数のほうがまとめられて便利そうです。

中小企業は一度に大きな金額を得られるとは限らないため、複数にせざるを得ない。つまり、1業者が1度で売掛債権を現金にできる金額はある程度決まっており、必要額に達するように業者を使うのです。それぞれ複数の業者に売掛債権を買い取る契約で十分な資金を得られるでしょう。

しかし、複数の利用はその都度、審査を受けて手続きと契約を済ませるという手間がかかります。基本的にファクタリング業者の利用が1社で済むのであればそれが理想的であり、金額が不足する場合には複数社を利用して補うという使い方がセオリーです。

ファクタリングを複数選ぶ基準

助さん
助さん
たくさんあるファクタリング業者の中から複数利用に適した業者を厳選するにはどうしたら良いでしょうか?
まずは、選ぶ時のポイントを知り、種類や信用の度合いから業者を選定することです。
お銀
お銀

ファクタリング業者を選ぶ時のポイントがある

ファクタリング業者(またはファクタリング会社)はファクタリングを行ううえで欠かせない存在です。ファクタリング業者とは、ファクタリングに必要な売掛債権の買取を自ら行い、売掛債権に応じた資金を渡し、審査やファクタリングのリスクを自ら引き受けます。広く一般的に、利息制限などに引っかからないファクタリングは、「3社間ファクタリング」を指しており、売掛先に対して債権の回収をする権利をファクタリング業者が有するのです。ファクタリングは、先述したように特別な資格・許可の要らない事業なため、業界には優良な業者からサービスの質が低い業者まで存在します。選ぶ時は、利用手数料やファクタリングの種類、信頼性などを十分に検討して利用業者を絞り込む必要があります。

その業者が2社間と3社間のどちらかを見極める

ファクタリングの種類には大きくわけて2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。2社間ファクタリングでは、ファクタリング業者と利用企業の2社のみで契約します。売掛先への債権はそのまま利用企業が有したままとするため、債権回収を利用企業が自ら行うという形式を取ります。この契約では売掛先に売掛債権を買取したことは伝えられません。3社間ファクタリングでは、売掛先を含めた3社で契約を結びます。

一般的に3社間ファクタリングが正式なサービスという認識が強くありましたが、2社間ファクタリングを大手企業が事業としたことで、いずれもファクタリングの範囲内という判断がされます。しかし、2社間ファクタリングは手数料が高く、利用負担が大きい点や債権がそのまま回収と返済の義務を利用企業が負うことから、3社間ファクタリングを利用することがベストです。

助さん
助さん
2社間ファクタリングは利用すべきではないのですか?
3社間ファクタリングが利用できれば良いのですが、それが難しい時の1選択肢ということです。審査の通過が厳しく利用先が2社間ファクタリングしか望めない資金繰りの悪い中小企業は、2社間ファクタリングの中で優良な業者を利用するというのは選択肢に加えても問題ないでしょう。ただし、3社間ファクタリングが利用できる企業が手数料が高く、売掛先に内緒できることや審査に通りやすい好条件だとしても、2社間はなるべく使わないほうが賢明でしょう。
お銀
お銀

ファクタリング業者の信頼性

ファクタリング業者の会社としての信頼度を確認することが複数選ぶ際には重要なポイントとなります。ファクタリング業者が違法行為をしていれば、利用企業に迷惑がかかることは想像に難くありません。例えば、逮捕事例や民事の裁判になるなどです。特に逮捕などで出資法違反などで、取り調べや聴取、証拠を抑える要因として警察からの面倒な手間が生じます。ファクタリング業者が出資法以外に詐欺や犯罪に加担していた場合には、利用企業が損害を受けるケースもあります。さらに、売掛先の債権が悪用されることは避けねばならないのです。このような悪徳業者の利用を避け、信頼できるファクタリング業者を複数選び取ることが大切です。

助さん
助さん
信用の基準は何をチェックすれば良いのでしょうか?
具体的な基準としては、まず評判が高いこと。それから、株式会社などの会社の種類で設立時の出資金が大きく、資金に余裕があることです。後者の2つは、会社概要などですぐに確認できるレベルの判断材料です。そして、キャッシュフローや純資産など会社の経営状況を調べられる場合にはそれもチェックしましょう。
お銀
お銀

手数料を比較することの重要性

助さん
助さん
手数料が気になる方は多いと思います。なるべく手数料が低いほうが良さそうですが、その辺はどうでしょう。
手数料には高い業者と低い業者があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。まずは手数料相場を確認して、それぞれのデメリットを比較して自社にとってそのデメリットが小さくなる方を選ぶことです
お銀
お銀

ファクタリングサービスの手数料相場

手数料には相場が存在し、ファクタリングの種類や審査条件などにより手数料が決まる仕組みです。まず、ファクタリングの種類では、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで大きく手数料が異なります。すでに述べたように、2社間ファクタリングは手数料が高めに設定されており、3社間ファクタリングは手数料が2社間ファクタリングの相場より低い傾向にあります。相場の手数料率としては、2社間ファクタリングが10.0~25.0%、3社間ファクタリングが1.0~10.0%です。ちなみに、3社間ファクタリングの優良業者は手数料が5%までというのがの特徴です。

次に、審査条件では、買取する売掛債権の信用度をもとに手数料が変動します。信用調査会社の評価や独自の審査内容から細かく査定されます。特に、会社の経営状態が審査に影響するというのはよく知られています。会社の経営状況が良くないと売掛債権で回収できないリスクを抱えてしまいます。それを防止するための審査なわけです。手数料はそのリスクに見合ったものを業者が徴収しています。以上、同業者でも手数料を事前に確定することは困難といえるでしょう。

手数料の安い業者は審査落ちする

手数料が安い業者に利用者の申請が集まるのは自然なことです。ところが、中小企業をはじめとしたほとんどの企業は審査落ちという結果が待っています。理由は単純で、手数料が安いことは、その少ない手数料で確実に債権を回収し、信頼を担保に事業を続けることを必要とし、不安のある企業までカバーできないためです。手数料が安くて契約が成立するのは、3社間ファクタリングの優良業者くらいです。

助さん
助さん
なぜ、みんなは3社間ファクタリングを使わないのでしょうか?
銀行でいうところの貸し倒れにならないだけの信頼がある企業としか取引しないため、手数料を低く設定し、利用企業は審査により厳選されます。結果、ほとんどの中小企業は審査に通ることなく、手数料が高い2社間ファクタリングに流れていきます。
お銀
お銀
黄門様
黄門様
裏を返せば、手数料が低いかどうかをチェックすることによっては、利用企業はあらかじめ審査の厳しさなどを数値で判断しやすくなるのじゃ。

高い手数料は悪徳業者?

手数料はリスクに見合ったものにするため、2社間ファクタリングのように高く設定されることがあります。しかしながら、あまりにも高い手数料は悪徳業者の可能性を排除し切れません。実際に悪徳業者化を確認するためには、実際の利用者の声や評判を聞く以外に、契約内容や相手の対応を確認して判断します。手数料のみでは判断が難しいものの、40~60%程度の手数料をとっているような業者は悪徳業者と断定して差し支え有りません。

助さん
助さん
なぜ手数料が高いだけで悪徳業者なのでしょうか?
なぜなら、その手数料率がすでにサービス内容にかかわらず悪質だといえるからです。これを貸金に置き換えた時、年率で数百%の暴利に該当するためです。このような悪徳業者では審査は名ばかり、利用者を審査に通して手数料で儲けるからくりを裏で計画しています。これが2社間ファクタリングに潜む高手数料率の悪徳業者の特徴です。
お銀
お銀
助さん
助さん
法律違反になるような悪徳業者を使わないためにはどうしたら良いのでしょうか?
貸金業法違反で逮捕されるような延滞手数料と引き換えにした返済日の引き伸ばしを行っている業者がいます。そのような対応をとる業者を利用しないようにするには、まず手数料を見ることが手っ取り早いのです。
お銀
お銀
助さん
助さん
なるほど。だから手数料の比較なのですね。

手数料のばらつき

ファクタリングを複数にするデメリットは、手数料がばらけることです。元々、ファクタリングには手数料の統一的な見解や法的制限がなく、「3社間ファクタリングだから~%の手数料を取る」という規定がありません。したがって、手数料は統一されていない状態で、個々の業者が適切な手数料を独自に設定しているに過ぎないのです。複数利用は1社ごとに手数料が上乗せされるだけでなく、積み上がるそれぞれの手数料も異なります。

助さん
助さん
手数料の違いって、具体的にはどういうことでしょう?
具合的には、A社は5%だがB社は8%あるといったことです。もし、A社だけを利用していれば利用金額に対して5%で済むところが、B社を合わせると8%と、3%も高い結果となるでしょう。これは複数利用では避けられないものです。まったく同じ手数料の条件を用意する業者はまずないため、手数料の違いを前提に利用する必要があります。本当であれば1社利用に抑えるべきですが、複数利用が必須な企業・経営者では、手数料のデメリットと引き換えに利用するというスタンスです。
お銀
お銀

ファクタリングを複数社利用する際に注意したい二重譲渡

助さん
助さん
二重譲渡に注意するってどういうことでしょうか?
二重譲渡はファクタリングにおいて原則禁止されている行為です。もし、この行為がバレて訴えられると損害賠償や最悪の場合、詐欺で逮捕される可能性すらあります。そのため、二重譲渡についてしっかりと認識したうえで絶対に行わないようにすることです。
お銀
お銀

二重譲渡とは

二重譲渡は、最初の1社目に利用した同じ売掛債権を2社目以降にも買取させる悪質な行為です。二重譲渡は必要な資金を調達するために意図的に行われるケースと結果的に2社以上になるケースがあり、いずれも法律に抵触します。例えば、1社目だけでは資金が不足するという場合にわざと2社目以降に買い取らせること。この場合、1社目のことを伝えずに2社目と契約するため、1社目と2社目はそれぞれに同じ売掛債権がファクタリングに使われたことを知らないことになります。

すると、不履行が起きた際に両者の間でコンフリクトが生じ、いずれかの業者は損害を被る結果となります。1つの売掛債権から回収できる資金は決まっており、それを何社も同じ権利を主張すれば得られないものが出てきて当然です。そのため、額面の大きな売掛債権であっても二重譲渡はファクタリング利用時におけるルール違反とされています。

二重譲渡になりえる結果として、審査に通るかわからないために複数社に同時に申し込んでしまい、審査に通過した結果二重譲渡が発生してしまうことがあります。基本的に、審査に通過しても契約書を交わして手続きを行うため、これらは偶然の産物ではなく、利用者の意志で二重譲渡したことになるのです。

助さん
助さん
二重譲渡はどんな種類のファクタリングで起こりやすいのでしょうか?
二重譲渡を何社にも渡り繰り返しやすいのが2社間ファクタリングです。債権譲渡が公示されず、基本的に売掛先には知らされないうえにファクタリング業者は契約でのみそれを知りえます。内情をしらせないまま、別の業者に契約をもちかけやすいのです。
お銀
お銀

二重譲渡のリスク

ファクタリングは業者と利用者の間で契約を交わす以上、二重譲渡した時点で意図的に騙して資金を得たことを意味します。つまり、ファクタリングで二重譲渡を行うことは「詐欺罪」に問われる大きなリスクを抱えることになるのです。

助さん
助さん
詐欺ってことは、被害者の利用企業に訴えられるのでしょうか?
詐欺罪は非親告罪のため、被害を受けた会社の訴えなく警察は捜査や逮捕をすることができます。当然、何社も二重譲渡で損害を与えたとすれば、被害が複数報告されて警察に立件されることは十分に考えられるでしょう。刑事訴訟の問題だけでなく、民事でも損害賠償を請求されることがあるなど、二重譲渡は金額に見合わない大きなリスクと認識する必要がありそうです。
お銀
お銀

見積もりなら二重でも可

確かに二重譲渡はリスクがあり、禁止しているファクタリング業者からすれば犯罪にもなり得る行為ですが、見積もりはまったくの別です。見積もりでは売掛債権に対して手数料などを確認するために同じ債権を使うに過ぎず、実際に債権譲渡などがされるわけではないため、業者を騙すことにはなりません。実際に使うかどうかは契約までして初めて成立するのです。ただの見積もりでは二重譲渡とはされません。

債権譲渡登記の必要性

二重譲渡を防ぐことを目的として、「債権譲渡登記」を必要とするファクタリング業者が存在します。債権譲渡登記では、債権が別の会社に移ったことを公的に周囲に知らせることができるため、第三者からは債権を持っている会社が明確です。ようするに、債権譲渡登記は民法の債権譲渡に関する第三者対抗の要件とするための制度です。債権譲渡登記をするためには、日本の中で唯一の手続き先である「東京法務局」に申請する必要があります。

2社間ファクタリングが使われるようになったのは、債権譲渡登記ができるようになったためです。それから、2社間ファクタリングで起こり得る資金使い込みなどのトラブルでは、判決後の口座差し押さえなど、登記が事実を示す資料となり、債務不履行に対して法的に対抗できます。優良業者は通常のファクタリングに必要な手続きに加えて債権譲渡登記を要するケースがあるのです。

ファクタリングもどきに気をつける

ファクタリングを複数利用する際に気をつけたいのは、名前にファクタリングと付いているだけのサービス、あるいはファクタリングによく似ているが実態はまったく異なるサービスを利用しないことです。ファクタリングでは、中小規模業者を合わせると結構な数の業者があり、名前にファクタリングと付いていると社名など表面上の情報だけでは見分けが難しいことがあります。近年、名前が挙がっているものとしては、「給与ファクタリング」や請求書現金化を名乗る「後払い現金化業者(請求書ファクタリング)」などです。

助さん
助さん
給与ファクタリングはなぜ利用してはいけないのですか?
給与ファクタリングは明確な違法事業であることが裁判所により示されています。まともな業者はすでに撤退済みで闇金関連の事業者しか残っていないことが理由の1つです。そのため、ファクタリングをいくつか選んでいるうちに知らずファクタリングもどきの給与ファクタリングやただの後払い現金化サービスに手を出してしまうことがあり得ます。利用会社は十分に中身をチェックして複数の利用をすることが大事なのです。
お銀
お銀

複数の業者選びに細心の注意を払う

ファクタリングは複数の業者を選ぶ際に、手数料の比較や悪徳業者の排除、ファクタリングもどきを利用しないようにするなど、適切な利用ができるようにすることが利用会社には求められます。複数ある業者の選定基準は基本的に種類(2社間ファクタリング、3社間ファクタリング)や業者の信頼性です。そのうえで、高すぎない手数料の優良業者を複数絞込めるかによってサービス利用後の負担やリスクを最小限に留めることができます。比較では、5%前後の手数料が最善ですが、2社間ファクタリングの場合は15%くらいまでを目安に多手数料率が高くても利用範囲を広げることが必要です。二重譲渡や債権譲渡登記などのトラブル回避に関する知識を十分に得て、ファクタリングを複数利用することを検討しましょう。